2010年6月アーカイブ

戸惑うアレック

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117.jpgアルタイルの話しを聞いたアレックは、ビックリ!

そして言いました。

「そんなの無理!」

「ボク、子どもだよ。小学生!! わかるよね」と、アレック。

するとアルタイル「大人とか子どもとかは、関係ないんだよ。アレック」と、言いました。

「それ! 長老も言ってた」と、アレック。

「ボクは、森人の子なんだって! 森人の子って何?」

するとアルタイル。

「これがそうだよ! 私と話してる。君は、特別なんだよ。」

アルタイルの願い

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116.jpg次の日、アレックはくまうしに連れられアルタイルの元を訪れていました。

「アルタイル!ボク昨日、長老と話す夢を見たんだ」

「何でも長老が言うには、今この森は大変な事になっているって」

「この森をボクに助けてくれって言うんだ」と、アレックが話すと

アルタイルは「実は、そうなんだ。どうか君にこの森を助けて欲しいんだよ」と、アルタイル。

「えーっ!どう言う事なの?全然わかんない!」と、アレック。

「そうだね。わかんないよね。今、君に話そう」と、アルタイルはこの森がどうなっているかを

アレックに話し始めました。

「この森は、かつてないほどの危機に直面している。

アレック、エゾシカは知っているかい」と、アルタイル。

「あー!知ってるよ」と、アレック。

「この森にいる鹿は、今、森を食い荒らす害獣に次々に変化しているんだ。

それが、この森だけの問題じゃないんだ。あちこちの森の鹿たちがおかしくなっている。」

「それと言うのも彼ら自身、数が増えすぎて群れをコントロールできなくなっているんだ。

そして、増えすぎた彼らは、空腹に耐えきれず害獣に変化したと思われるのだ。」

「その害獣化した鹿の中心には、あのお面がいる。」

「奴が、この事態を引き起こした森の悪魔だ。彼は、空腹で耐えきれなくなった彼らを

言葉たくみのそそのかし、自分の仲間へと変化させているのだ。」

「一度、ああなった彼らは森そのものを食らう害獣でしかない。こうなるともう駆除するしかないのだ。」

「だが、それには彼らの最も苦手な相手ではなくてはならない。それは、オオカミだ。」

「しかし、この森にも他の森にももうオオカミの姿はない。」

「どうして?」と、アレック。

「それは、この地にやって来た人間がオオカミを絶滅へと追い込んだのだ。」

「そこで、君に果たしてもらいたい使命とは、

オオカミたちをこの地に再び君臨する様説得をしてもらいたいのだ」と、アルタイルが話しました。

森のお告げ

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しばらく森を離れたいたアルタイルが珍獣の森に帰ってきました。

アルタイルは、くまうしにアレックを連れてくるように頼むと死んだようにその場に眠りこけてしまいました。

その頃、アレックと言えば、毎日のように友だちと遊び元気に毎日を過ごしていました。

いつものようにすっかり遊び疲れ眠りのつくと

アレックは、とても不思議な夢を見ました。そこは、千年杉の長老の目の前でした。


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「これは、夢?」と、アレック。「あぁ!そうともこれは夢でもある」と、千年杉の長老がいいました。

 

「すげーっ!ボク、木と喋ってる」と、再びアレック。

「君は、咲子の息子。そして森人の子だ。」

「君には、してほしいことがある」

「私のお願いを聞いてもらえるかい・・・・」と、長老が優し口調で尋ねると

アレックは「何をすればいいの」と、言いました。

「今、この森は大変おかしな事になっている。このまま放っておけば森は、滅びることになる。

私は、この森を救う方法は知っていてもご覧の通り動く事ができない。木だからね」

「そこで、君にこの森を助けてほしいんだ。」と、長老が少年アレックに頼むと

アレックは「ボク、無理だよ!子供だし。何も出来ないよ。」と、言いました。

すると長老は、言いました。

「大人とか子供だからとかは関係ないんだよ!アレック。」

「これは、君に課せられた使命なんだよ。」

「君がやらなきゃならい事なんだよ」と、長老。

「でも、どうしてぼくなのさぁ!」と、強い口調でアレクは長老に返しました。

「それは、君が私の声やこの森の不思議な動物たちとも話す事ができるしノームが見えるだろ。

君は特別な存在なんだよ。」と、長老。

そして「これより先、君はアルタイルに会い何をすればいいか聞かされるだろう。」

「それは途方もない使命かもしれない。だが、君には逃げずにその運命に立ち向かってもらいたいのだ」と、

言って夢の中へ消えていきました。

 


アルタイルの帰還

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「オーッ!帰ってきた。」

「オオワシのバケモンが帰ってきたぞー・・・」と、ヒゲ蔵。

「やつは、この森を見捨てなかったんだなぁ。おまえさんは。・・・」

「おめーは、やっぱたいした奴だよ。」

 



 

増殖

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ヒゲ蔵が見たお面は、珍獣の森に現れたやつで珍獣の森と下界を自由に行ききしているようでした。

奴は、自分たちの数を増やし森を飲み込むつもりです。

今もヒゲ蔵の前にいて下草を食べるのではなく土ごと根こそぎ食らいついています。

まさに森を食らってるのです。

「奴らは、元々は鹿だべ!

見るたびに数が増えるとこ見ると、どっかから感染して増殖してるんだべなぁ。

だから、奴らをやみくもに鉄砲で撃っても解決しないべなぁー。元を絶たなきゃ駄目だべなぁ」と

ヒゲ蔵は、言いました。

そして、空を見上げるとオオワシが大空を優雅に飛んでいました。

 

お面鹿

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「ビル見えっか?あそこに居る奴だ!」

「奴の顔みろや! なぁー、お面みたいな変な顔だべ!」

「最初は、一頭だけだったんだ! けどなぁー、ここんところ増えてんだぁー」と、ヒゲ蔵。

そして、つづけて話すには「彼奴を見てから森は、変っちまった。

こりゃとんでもない事が起きるぞー」とヒゲ蔵。

それは、ビルも初めて見る生きものでした。

猟師の重蔵。

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「この森に入ったら、じさまによく言われたもんだー!オオワシに気ーつけろって!なぁ。」

「この森は、特別でよ。昔はなぁ!主がそれぞれにいてよー!

空には、今言ってたオオワシがいてよ。森には、オオカミのでっかいのがいてよー、

川にはよイトウのでっかいのがいたんだぁー。

それがよ、オオカミとイトウは、人間が増えたせいかいつの間にか居なくなっちまったんだぁー。」

「そんでよー、未だに居るのがオオワシでよ。あいつはなぁー、じさまの頃から生きてる奴だから文字通り

バケモンみたいなもんよ!」と、重蔵がこの森の不思議を話してくれました。

重蔵は、この土地に住むじさま頃より続く猟師で、ヒゲとかヒゲ蔵とか呼ばれている男です。

文字通り見てのとおりのヒゲヅラです。

が、猟師としての腕は、天下一品で狙った獲物は逃さない強者なんです。

狙われたら最後、森の住人にはありがたくない存在です。

で、そのヒゲ蔵が言うには、ここんところ森の様子が変だといいます。

何でも動物たちがこぞって森を捨て始めてると言うのです。これは、前代未聞の出来事だそうで

ヒゲも「おっかなくてしかたねー」と、言っていました。

それに「変な鹿を見た」とも言ってました。

ゆるやかな侵食。

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珍獣の森の異変は、

下界の森にも侵食をもたらし

人間界にも知れるところとなりました。

パークレンジャーのビルは、

この異変に一早く気がつき

森のあちこちを調査していました。

それは、森の木々たちが

枯れているというものでした。

「犯人は、鹿たちで

木の樹皮を食べているのは

この糞を見る限り間違いないが、

エサのない冬ならまだしも

納得が出来るんだが

エサも豊富にあるこの時期に

なぜこんな事をするんだ。

全くわからよ」と、

ビルは頭を抱え始末。

調査に同行した猟師の重蔵も

初めて見る光景でした。

「俺も初めて見る!この森は、

昔から不思議な森だがこんなのは、見た事ねー!」と、重蔵も驚きを隠せませんでした。


109.jpg森は、昼間もどんよりする日が多くなりました。

森のみんなに生気が感じられません。何を隠そうあのくまうしでさえ元気がないのです。

「こう、森の空気がどんより淀むと何にもする気が起きないよ。ねー、ナビチュウ」と、くまうし。

「そーですね。何もする気が起きないですよ」とナビチュウ。

まさにむなしさが森全体をおおってしまいそうです。

どうやら、森も限界まで来ているようです。

森のあちこちでは、お面が出没して辺り構わず食い散らかしています。

後には、枯れた樹木と、むしり取られたような地面が残るだけの死の森へと変貌しつつあるのです。

くまうしたちの珍獣の森は、どうなっちゃうんでしょうか。心配ですね。

108.jpgアラスカからアルタイルが珍獣の森へと向かっている頃

森には、不穏な空気が充満していました。

お面が森の中を目立つ行動をするようになっていました。

森の住人たちは、ますます怖がり逃げ出すものがまたふえ、森は一層しずかに・・・。

ですが、月夜の晩は、ビーの優しい歌声が森中に響きわたり心和ませる一時を得られるのですが、

月の見えない日は、ミルザムのゴーストが森の中を徘徊し、あいかわらず警告を促しています。

おかげで森は、荒れ放題に。

このままでは、森は死んでしまいます。アルタイル!早く帰ってきて!!




ミルザムの息子

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107.jpgアルタイルが、森へ去ろうとしたとき1匹のオオカミが近づいてきました。

それは、シリウスの隣に寄りよっていた若者でした。

「大空の勇者アルタイル!森の勇者よ!チョッと待ってくれ!」と彼を呼び止めたのです。

若者は「叔父、シリウスの数々の失礼をお許し頂きたい。彼も頭では、どうしようもない事だと分かっているが、

心が、感情に支配されあのような暴言を吐いてしまった。失礼を許してほしい」と、

彼は深々と頭を下げアルタイルに一礼をし、そしてこう言ったのです。

「私は、ミルザムの息子アダーラです。私が、あなた方の使者の旅のお手伝いをいたします。」と、

そのオオカミは、とても美し銀色の毛並がまじる若武者でした。

「旅の道中、我らの知り合いにあなたの使者の話しをしておきます。多少の危険は、あるでしょうが

安全にこの森まで来られるでしょう。」と、アルタイルに話したのでした。

 アルタイルは、アダーラに礼を言うと珍獣の森へと帰って行きました。



恨み多き王の名

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106.jpg「あなたの恨みの根は、深いようだ。

仕方がない、その条件を飲むしか我が森を救う手だてはないようだ。」と、アルタイルは言い

つづけてこう繰り返し尋ねたのでした。

「人間の少年が、ここまでたどりつき君たちに謝罪をすれは、約束は守ってもらえるんだな!」と、

アルタイルが確認すると

長は「くどいぞ!アルタイル。俺たちは、ウソはつかん。約束は、守る」と、言いました。

「では、私は自分の森帰りここへ来る人間を人選しよう。

ついては、長よ。

このアラスカの大地をおさめる偉大な長よ!

あなたをこれから何と呼べばよいか、さしつかえなければ、あなたに名をお知らせいただけないか。」と、

アルタイルが尋ねると長は、

「我が名は、シリウス!アラスカのシリウスなり!!」と、名のりました。

長の名を聞いたアルタイルは、偉大なシリウスに一礼をし、その場をさりました。

過去の大罪

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105.jpg「この地の 獅子は、あまりにも無茶な条件を出すではないか。それでも、ミルザムの同胞か!」と、アルタイルは

なげきまし た。

長は、言い ました。「我ら、アラスカの大地に生きるオオカミは、各地で住処を追われたオオカミたちが、

この地に集 り生き抜いて来た一族よ。だから、どの一族より結束が固く誇り高いオオカミなのだ。

しかも、お前たちが見捨てたオオカミたちでもあるのだ!」

「今更、助けろ。笑わせるな!」「俺たちは、お前たちが見捨てた一族だ。」

「俺とミルザムは、家族だったのさ!」

無謀な旅

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104.jpgアルタイルは、驚き「たかが10才も満たない人間の子供に旅をさせるのか」と、言ったのです。

すると長は、こう返したのです。

「人間が私的な理由で我らの同胞を森から駆除したのだから今度は、我らが人間を試してやる」と、

吐き捨てたのです。

アルタイルは、いいました。

それは、分かるが人間の子供にこんな無茶な旅が出来る訳がない。

それならば、私の命を差し出すから、償いのあかしとして受け取って、我が森に来てもらえないかと

頼みました。

が、しかし、長は「お前の命などいらぬ!」と、言い。

「それよりは、生きて我が森が滅ぶ様をその片目に焼き付けろ!」と、言ったのです。

 

 

条件

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103.jpgアルタイルは、答える事が出来ませんでした。

なぜらな彼はその時、動く事が出来ずミルザムを見殺しにした過去があるのです。

そして、彼もまた深手を負っていたのが原因なのですが。

「どうした、アルタイル。答える事が出来ないのか!」と、長が繰り返し問いました。

アルタイルは、一言「すまない」と、言っただけでした。

長は、がっかりした様子で、言いました。

「お前の森がどうなろうと、私たちには一切関係ないことだ。が、

しかし、その不自由な身体でここまで飛んで来た事に敬意をはらい、お前の森を助けてやらんでもないが。

但し、条件がある」と、言ったのです。

アルタイルは、「それは、ありがたい。条件とは、何だ!」と聞いたのです。

長の条件は、こうでした。

「お前たちの森は、人間が起こした危機と言ってもいいだろう。人災が原因だからな。

そこで、人間の歳で数えて10になる前の無垢な少年とお前たちの森を代表するものが旅をして

無事にこの森までたどり着き、我らに謝罪をしたならば、お前の森へ行こうではないか。」と、言ったのです。

ミルザムの子孫

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アルタイルが、ミルザムの子孫を捜し大空を飛び回っている事は、すでに大陸に知れ渡っていました。

ミルザムの祖先たちは、アルタイルがこの地に来るのを待っていました。

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そして1匹のオオカミが、大空を飛んでいるアルタイルに「お前が、我らミルザムの祖先をさがすものか」と、

呼び止めたのです。

「そうだ!この地にいるオオカミたちよ、ミルザムの祖先は、いるか」と、アルタイルが問うと

オオカミは答えました。

「我らは、いかにもミルザムと同じ大陸オオカミの血を引く同胞だ!」そして、

「何故、この地に現れた!」と、聞いたのです。

アルタイルは、「我らが森の危機を救ってほしいのだ!」と、答えたのです。

「なぜ、あなた方の森を助けねばならない」と、オオカミが問うと

アルタイルは、こう答えたのです。

「我が森には、ハンターがいないのだ。

そのため、狩るべき種族がふえすぎて森のバランスを維持する事ができない

このまま放っておけば、森は彼らに食い尽くされてしまう。

もう私1羽の手には、負えないのだ。どうかこの危機にあなたがたの力を貸していただきたいのだ」と

オオカミたちは、「なぜ、その森のはハンターはいないのだ」と、聞くとアルタイルは、再び答えました。

「我が森のオオカミたちは、人間と流行病が原因で絶滅したのだ!」

「だから、君たちの力が必要なんだ」

その答えを聞いたオオカミたちはざわつき、その中の1匹のオオカミが、「全く都合のいい話しだな!」

「風の噂で聞いてはいたが、ミルザムたちが滅んだ時、お前は何をしていたのだ!森の勇者、アルタイルよ」と、

アルタイルを問いただしたのは、この森の長のようでした。

101.jpgその頃アルタイルは、ちょうどユーラシア大陸にさしかかった頃でした。

この大陸で何がなんでもミルザムの祖先を見つけ、連れて帰らねばならないとアルタイルは、考えています。

なぜなら森は、もうすぐ本格的な夏を迎えすぐに実りの秋となり

次に来るのは、白銀の世界です。

冬になれば、森の半分は、冬眠をします。

何も知らず眠りから目覚めた時に、森は無いかも知れないのです。

アルタイルには、一刻の猶予もないのです。

くまうしは、初めて聞きました。

オオカミって言葉を。オオカミってビーが言ってたハンターのこと?

くまうしは、見た事も聞いた事もないものです。

くまうしは、分からない事があるとこのポーズをとります。

「わかんないベーッ!」 

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むりもありません。 この森にオオカミがいなくなってからだいぶたつのですから。

たのみのつなのアルタイルは、今はここにいません。だれに聞いたら良いのやら・・・。

あれ!ちょっと待ってください。ナビチュウって何ものでしたっけ?

そうです。ナビチュウに調べてもらえばいいじゃないですか。こんな近くにたよりになる相棒がいました。


100.jpg「ねーッ!ナビチュウ、

チョッと調べてくれる?」

「いいですよ。なに調べます。」と、

ナビチュウ。

「オオカミって言う生きもの

なんだけど」と、

くまうしが尋ねると

「オオカミですね」と、

ナビチュウが調べはじめました。

「あッ!ありましたよ。くまいしさん」

「これですね。」と、ナビチュウ。

見てみるとそこには、

1900年頃を境に

絶滅したと書いてありました。

と、言うことは、

絶滅してから100年以上は、

たつ事になりますね・・・。

くまうしが見た事ないのも無理はありません。

それにしてもアルタイルといい、チャビスといいどれだけ長生きしているのでしょうね。




 

オオカミの復活。

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どうしてチャビスには、

あんな事が分かるのでしょう。

何せ、チャビスは

100年以上も生きている

バケ猫のような生きものです。

たいていの事は、

知っている様です。

くまうしは、チャビスなら

答えを知っているかも

しれないと

思い切って聞いて見る

事にしました。

「この森が、生き残るには

どうしたらいいの?」と

尋ねました。

昔は、

この森にもオオカミがいて

何の心配もいらなかったけど、今はいないからね・・・。

鹿の群れをコントロールするすべがあればいいんだけれどね。

アルタイルは、多分ミルザムの復活を願い、彼らの仲間の住んでいる大陸にでも飛んで行ったんだろうさぁ!

まぁ!何にしても今は、アルタイルがおさめている森だからね。

アルタイルの帰りを待つしかないよ。と、言って

夕方には、チャビスはポチを連れ館へと帰って行きました。


97.jpgチャビスにすっかり脅されたくまうしは、怖くてたまりません。

「チャビスは、あのお面正体を知ってるの?」と、くまうしが不安そうに聞くと

チャビスは、話し始めたのでした。

おそらくそいつは、おす鹿のリーダーのなれの果てだろうと、言うのです。

くまうしが「どうしてそうなったの?」と、聞くと

チャビスは、彼らはここ数年、数が以上なくらいふくれ上がって来たそうだ!!

それにともない深刻なエサ不足に悩まされていた。

春・夏・秋は、森に実りがありなんとか飢えは、しのぐ事ができるが冬眠しない彼らの

冬場は、深刻な問題になっていた。

ある日、一番心配な事が起こったのさぁ!

群れのおさでもある1匹の雄の鹿が、飢餓に耐えきれず害獣に変身しちまった。

こうなると心のコントロールが出来ず、思うがままに行動。そして1匹、また1匹と感染していき

気がつけば、群れ全体が害獣となり

森から森へと移動をしては、あちこちの森を枯らしてきたらしいのさ!

そして今年は、とうとうこの森までやって来たのです。

このまま、ほっておけばここも消滅するしかないだろうね・・・・・。

96.jpg「珍獣の森は、大変らしいね。」と、チャビス。

「そうなんだ!変な奴が現れてからは、森は大パニックさぁ。」と、くまうし。

「どんな奴だい。そいつは」と、ふたたびチャビス。

「お面みたいな奴だよ」と、くまうしが不機嫌そうに話すと

チャビスが「そのお面、一度見てみたいもんだね。」

するとくまうしは、怖そうな顔で「森の奥の古代の森にいるんだ。」

「で、そいつらそこで何してるんだい」とチャビスが聞くと

くまうしは、「暗いからよくは見えなかったけど、茂み生えてるした草を無心に食べてるんだ」と、話しました。

「食べる・・・」と、チャビスがかえすと

「うん!それもすごく変なんだ。美味しそうに食べないんだ!ただ、食らうと言うか・・・」

「とにかく、とっても不自然な食べ方なんだ」と、くまうしは見たままをチャビスに話しました。

するとチャビスは、ニヤリと笑いながらかこう言ったのです。

「そいつらは、おそらくした草を食べてるんじゃないのさ!」

「そうさね。この森を食らってるんだよ。来年は、ここも砂漠かねーッ!クックックッ」と、チャビスは

くまうしを半分ひやかしながらでも、半分は本気みたいに話したのでした。

チャビスは、森のはずれの洋館に住んでいます。

昔は、立派な豪邸で沢山の使用人がいてにぎやかな館でしたが、戦争で没落してしまい

今は、会館になっており、冠婚葬祭が執り行われるぐらいで、昔ほどにぎやではなくなっています。

チャビスは、ここにぬいぐるみのポチと住んでいて

昼間は、ほとんど昼寝をして過し、夜にポチと遊んで日がな一日を過ごすのが日課です。

珍獣の森の騒動は、

野鳥たちのうわさ話で、チャビスのところまで聞こえていました。

機会があれば、森に行かなくてはと思っていたそうです。

95.jpgチャビス:「やぁ!くまうし、ひさしぶりだね。」

くまうし:「そうだね。チャビス!!ポチも元気そうだね。」

チャビス:「ここで、例のごとく踊っちゃう?」

くまうし:「そうね!踊っちゃう。」

2匹が会うと必ず踊るのだ!これがチャビスとくまうしの挨拶らしい。


いつころげるかわからない平和の上で

くまうしたちは、とりあえず暮らしています。

アルタイルが東の空へ旅立ってから何日もたちますが、まだ帰ってくる気配さえありません。

それでも毎日は、だれのところにも平等にやってきます。

そんなある日にこと

森に珍しい珍客がやってきました。

家猫のチャビスとうさぎのぬいぐるみのポチががやってきました。

チャビスは、とても長生きで100年は生きている猫なのです。

つれのポチは、ぬいぐるみでチャビスのおもちゃだったやつです。

チャビスは、ぬいぐるみのポチをつれ

ある日、この森の泉の近くで遊んでいるうちに誤って泉に落ち、ポチに命がやどりチャビスは、

とても長生きになったのです。

今日は、ひさびさにくまうしたちに会いに来たのです。

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偽りの平和。

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93.jpgビーが来たことで森は、明るさを取り戻すことができました。

今まで暗かった泉のまわりも整地され、すっかり明るくなりました。

森の仲間たちもことあるごとに泉に集るようになりました。

一見、平和に見えるこの光景も恐怖の上に無理矢理ふたをした一時的な平和でしかありません。

本当の安らぎは、くるのでしょうか?

92.jpg不気味な奴が、森に現れてから

エゾシカたちの様子が、一変してしまいました。1匹、また1匹と森から姿を消したのです。

暗闇を生きるフクロウたちの話しでは、

普段は、だれも行かない森の奥の古代の森にいる。と、言うのです。

そこで、くまうしはギョロに本当かどうかを尋ねることにしましたが、

ギョロは、当然のごとくこう言いました。「お前が持っているあの2匹を食わせろ!」ですって。

そんなことは、出来る訳がありません。そこでくまうしは、自分で確かめることにしました。

そっと近寄り、木陰から暗闇の古代の森を覗くと

そのくぼ地には、エゾシカの群れが沢山。

そして、下草を食み。目には、生気はなくまるで機械のように動いています。

その彼らの中心には、あの表情のないお面みたい奴が・・・

気付いたのか、お面がこちらをジッと見ていていました。

 

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くまうしは、常々しりたかった理由が、これで分かりました。

何故、アルタイルがこの森を離れたのか。何故、突然人魚が現れたか。

それには、ちゃんとした理由があったのです。でも、なぜピスケスではなく人魚?

その理由は、人魚が教えてくれました。

「川の主、ピスケスは私のおじいちゃんなの。でも、歳をとりすぎてこの森まで来る事が出来ないの!」

「だから、私が代わりにこの森まで来ました。」と、人魚は答えました。

でも、どうして人魚なのでしょう。その答えも彼女は、2匹に答えてくれました。

「私たちの一族は、昼間は魚の姿をしているけど月夜の晩は、人魚になることが出来るの!」

「そして、歌をうたうことが好きな種族なの。

そして、その歌は、疲れた心を癒すことが出来るの」と話してくれました。

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2匹は、納得。そしてくまうしは、「人魚さん、あなたに名前は、あるの?」

「私の名前は、アビー。みんなは、わたしのことビーって呼ぶわ!」と彼女は、

自分の名前を教えるとまた、歌い出しました。そして2匹は、例のごとく眠りこけたのでした。



 

88.jpgアルタイルが、ミザエルの一族を探しているあいだ

森では、珍客の正体が誰なのか調べようとしているものがいました。

 

くまうしは、どうしても人魚の正体が知りたくてたまりませんでした。

なので、今日もナビチュウを道ずれに月夜の晩は、

毎晩、泉のほとりで寝ずに番をするのですが、気がつくといつも朝になっています。

でも、今日は違っていました。

例のごとく泉の中から人魚が現れ今日も歌うのかと思いきや、くまうしたちを見つけると

こちらへやって来ました。

そして、人魚はくまうしにこう尋ねたのです。

「あなたは、皆さんのように恐怖を感じ絶望しないのですか?」と、聞いたのです。

くまうしは、すっかり忘れていました。

人魚の正体が知りたくてそれどころではなかったのです。くまうしは、人魚に今までのいきさつを話しました。

彼らは、お互いの顔を見合わせ思わず笑ってしまいました。

くまうしは、人魚に思い切って聞いてみました。「どうしてこの森に来たの?どうして歌っているの」と。

すると人魚は、答えました。

「私は、この森に住んでいたピスケスの子孫。」

「森に不気味な奴が現れ、恐怖をまき散らし、ある種族は奴の思うがままになりつつある。

このままでは、この森は、滅ぶ。

それを指をくわえ待ているだけは、忍びない。そこで、私がこの森のためハンターを連れてくるまで

森の皆の恐怖を和らげてほしいと、アルタイルに言われたの」と人魚は、

アルタイルの留守の理由と、自分がこの森に来た理由をくまうしに話してくれました。

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アルタイルの行方

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珍獣の森が人魚の話題で盛り上がっている頃、

森の勇者アルタイルは、アジア大陸の東の端の突き出した半島まで飛んで来ていました。

アルタイルは、奴が森に現れた事で森の害獣になるであろう事をいち早く察知し

行動していたのです。

自分ひとりでは、解決できない重大な局面なると予想して。

害獣を胎児するとなると奴より強い相手を捜さねばありません。

かつて珍獣の森にも陸の王者として君臨していたオオカミたち。

しかし、彼らは入植者の私欲と病の果てに珍獣の森では、滅んでしまいました。

アルタイルは、この大陸にはかつて珍獣の森に住んでいたエゾオオカミと同じ大陸オオカミまたは、

ハイイロオオカミとも言いますがその子孫か末裔が住んで居ないかとを捜しに来たのです。

86.jpgここで血族に会えれば、珍獣の森の危機に手を借りようと思ったのです。

アルタイルは、彼らオオカミたちに尋ねました。

「ここにミルザムの血族のものは、住んでいるか」

すると彼らのひとりがこう答えました。

「ここには、住んでいない。ユーラシア大陸へ行け!!そこには、ミルザムの末裔が住んでいるはずだ。」

「彼らは、ハイイロオオカミと呼ばれているが大陸オオカミの末裔だ」

アルタイルは、彼らに礼を言うと再び東の空へと飛んで行きました。

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85.jpg珍獣の森は、人魚の心いやす歌のお陰で、奴が与える恐怖から救われているのも事実で す。

が、しかし 人魚の正体が気になるところでもあります。

正体を調べ ようと思うのですが、気がつくと夜が明け人魚は何処にもいません。

だから調べ ようがないのです。

今、泉にい るのは最近やって来た若いイトウのメスが住んでいるだけです。

この魚がと うてい人魚とは思えません。

かつて、こ のあたりの川にも主が住んでいました。

名をピスケ スと言い、身体は大きく淡水魚の中では最大級の魚で、サケ科イトウ属に分類する種目です。

この泉にい る魚は、イトウではありますが主にはまだ早く、経験も少ない若魚です。


さてさて、この問題はくまうしに無事、解決できるでしょうか。

とっても気 になるところではありますが、続きは明日のおはなしへと続きます。


眠気を誘う歌。

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83.jpgくまうしたちは、その人魚の姿に見とれてしまいました。

人魚は、くまうしたちの気配に気付く様子もなくしばらくすると歌い出したのです。

それはそれは、美しい歌声でした。

くまうしもナビチュウも耳栓をしていたのですが、その歌声は身体の中にしみわたるほどの

美しい声でした。

まるで自分の心に直接うたいかけられているような気分で、とてもここちよいのです。

そして、気が付とあたりは、すっかり夜が明けていました。84.jpg

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